流体の粘性にはニュートン粘性、塑性流体、ダイラタント流体、擬塑性流体、ビンガム塑性流体などの8つの主要なタイプがあります。
流体の粘性の8つのタイプを解説
流体力学において、粘性は流体の重要な特性の一つであり、特定の条件下で流体がどのように変動するかを理解するために欠かせないものです。粘性にはいくつかのタイプがあり、それぞれが異なる挙動や特性を持っています。以下では、8つの主要な粘性のタイプについて解説します。
- ニュートン粘性
ニュートン流体は、応力と変形速度が直線的な関係にある流体です。具体的には、せん断応力 \(\tau\) はせん断速度 \(\dot{\gamma}\) に比例します。この関係は以下の式で表されます:
\(\tau = \eta \dot{\gamma}\)
ここで \(\eta\) は動粘度です。
- 非ニュートン粘性
非ニュートン流体は、応力と変形速度が直線的でない関係を持つ流体です。以下に、その種類を示します。
- 塑性流体
塑性流体は、特定の応力(降伏応力 \(\tau_y\))を超えるまで変形しません。応力が一定の値を超えると、流体はニュートン流体のように振る舞います。以下の公式で表されます:
\(\tau = \tau_y + \eta \dot{\gamma}\)
- ダイラタント流体
ダイラタント流体は、せん断速度が増加すると粘度が増加する流体です。これは、澱粉と水の混合物などの例です。
- 擬塑性流体
擬塑性流体は、せん断速度が増加すると粘度が減少する流体です。例えば、血液や歯磨き粉がその例です。
- ビンガム塑性流体
ビンガム塑性流体は、降伏応力 \(\tau_y\) を越えた後に初めて流動を始めますが、ニュートン流体と異なります。例として、チョコレートや歯磨き粉が挙げられます。
- チキソトロピック流体
このタイプの流体は、攪拌やせん断を加えると粘度が低下し、時間が経つと再び元の粘度に戻ります。例として、塗料やチョコレートシロップがあります。
- レオペクティック流体
レオペクティック流体はチキソトロピック流体の逆で、せん断によって粘度が増加する流体です。
- 粘弾性流体
これらの流体は、固体の弾性特性と流体の粘性特性の両方を持ちます。スライムや体液がその例です。
- 塑性流体
以上が流体の粘性の主要な8つのタイプです。各タイプは工業や医療、日常生活において異なる用途や特性を持ち、その理解は我々の生活を豊かにするために役立ちます。