工業用温度センサーの一種である熱電対の種類と特性について解説。K型、J型、T型など代表的な熱電対の用途と特徴を説明。

工業用温度センサー:熱電対の種類
工業用温度センサーの中でも、熱電対は広く利用されています。熱電対は、異なる金属を接続することで電圧を生成し、その電圧から温度を測定するセンサーです。以下に、代表的な熱電対の種類について説明します。
- K型熱電対:最も一般的な熱電対で、−200℃から+1260℃までの広範な温度範囲に対応できます。ニッケル・クロム (ニッケルクロム合金) とニッケルアルミ (ニッケルアルミ合金) を使用しており、比較的低価格で高信頼性です。
- J型熱電対:鉄とコンスタンタン(銅・ニッケル合金)で構成され、−40℃から+750℃の範囲で温度を測定します。酸化環境での使用は避けるべきです。
- T型熱電対:銅とコンスタンタンで構成され、−200℃から+350℃の温度範囲での精度が高く、特に低温測定に適しています。
- E型熱電対:ニッケル・クロムとコンスタンタンで構成され、−200℃から+900℃までの範囲で使用されます。電圧出力が他のタイプより高いため、高感度が求められる用途に適しています。
- N型熱電対:ニクロシル (ニッケル・クロム・シリコン合金)とニシリル (ニッケル・シリコン・マグネシウム合金) で作られ、−200℃から+1300℃までの範囲で安定した性能を発揮します。高温環境に強い特徴があります。
- S型熱電対:白金と10%ロジウム・白金合金で構成され、−50℃から+1600℃の範囲で高精度の測定が可能です。高温環境での使用に向いており、主に高温炉やガラス製造業で用いられます。
- B型熱電対:30%ロジウム・白金合金と6%ロジウム・白金合金で構成され、0℃から+1800℃の非常に高い温度範囲で使用されます。高温環境での極めて高い安定性が特徴です。
- R型熱電対:13%ロジウム・白金合金と白金で構成され、−50℃から+1600℃までの温度範囲に対応できます。S型と同様、高温環境での利用に適しています。
それぞれの熱電対には特有の特性があり、使用する環境や温度範囲に応じて最適なタイプを選定することが重要です。熱電対の選択は、工業プロセスの性能と効率を大きく左右するため、慎重に行う必要があります。